真剣さを植えつけることは可能か?

昨日の続き。昨日の結論は、要するに「顧客満足度を上げるために必要なことは、社員の真剣さだ」ということ。

コンサルティングを生業にしようとしているので、次のような問いを立てて考えてみた。
・真剣さを外部からの力で植え込むことは可能か?

まず問題は、「真剣さ」の定義。辞書を見てみるとこう書いてある。

しん‐けん【真剣】
[名]本物の刀剣。木刀や竹刀(しない)に対していう。
[形動][文][ナリ]まじめに物事に対するさま。本気で物事に取り組むさま。「将来を―に考える」「―なまなざし」

本気、、、
本気は、客観的に見るのは難しいなぁ。

ということで、問いを少し変えてみた。
1.「真剣に考えよう」という「意識」の重要性を伝えることは可能か?
2.「真剣に考えよう」という意識によって、顧客満足度を高めることは可能か?
3.「真剣に考えよう」という意識とそれに基づく行動を継続的なものにする(=植えつける)ことは可能か?

1.の問いを変えたのは、「あなたは真剣に顧客のことを考えてますか?」と聞かれて答えるよりも、「あなたは『真剣に顧客のことを考えよう』と思って仕事をしていますか」と聞かれて答えるほうが、白黒がはっきりすると思ったから。真剣の程度は人それぞれだけど、「真剣に考えよう」と考えているか?というのはYes、Noで答えられるし、伝えるのも伝えやすい。
2.問いを追加したのは、植え込むのが「真剣さ」ではなくて「真剣に考えようという姿勢」だから。
3.は、植えつけるのニュアンスを汲み取るため。

1.の結論としては、「真剣に考えよう」という「意識」と「態度」を植え込むことは可能だと思うし、2.の結論は、顧客満足度をあげることにつながると思う。
経験的にですが、「ちょっと真剣に考えてみるか」と頭の中で言って、実際にそういう姿勢で仕事に望むことは出来るし、そうしたほうが、仕事の成果は一般的には上がる。

たぶん一番大きな問題は3。こういう意識を、どうしたら常に持てるか。習慣として、クセとして、「常に」真剣に仕事に向かうようにするにはどうしたらいいのか。

方法はいくつかあると思います。
・定期的に「真剣に仕事を考えているか」を考える機会を作る
・定期的に具体的なケースを通じて「真剣に仕事をするとはどういうことか」を考える機会をつくる
・「真剣に仕事をする」を具体的なアクションとして落とし込んで、出来ているかどうかを人事評価に使う

こういうことを通じて、「真剣に仕事をしようと考える」という状況に、社員を常にセットすることはある程度は可能なのではないかな、と思う。

一方で、仕組みとして追い込むと、社員の中には、「真剣に仕事を考え『ざるを得ない』から考える(やらされ感たっぷり)」という人が出てくる。それでもある程度の効果はあると思うけれども、ベストは、「真剣に仕事を考え『たい』から感がる」もしくは「真剣に仕事を考えるのが『当たり前』だから考える」ということのどちらか。この後者とするにはどうしたらいいかについて、もうちょっと考えてから書きたいと思います。