絶対に成功しなければならない

セネガルでの起業の目的の第一は、セネガルの政府・企業の生産性を向上させて経済成長に貢献すること。経済成長=貧困削減とは厳密には言い切れないけれど、少なくともGDPが大きくなって政府の歳入が増えれば、国民の福祉に回るお金も、(基本的には)増えて、今教育を受けられない人に教育を受けさせられたり、お金が無くて病院に行けないがために死んでしまうような人を救う可能性につながる。

これが、自分が起業する会社の設立趣意書につながるようなことではありますが、もう一つ、重要な目的がある。それは、少しでも多くの日本企業に、天然資源以外の事業分野でアフリカをビジネスの対象としてみてもらいたいこと。日本企業のサービス精神や規律の高さはこちらでは評判がいいし、それを少しでもこちらの会社が吸収すれば、それも経済成長の一助となる。

今の日本企業のアフリカに対する姿勢は、一昔前のインドと同じで「興味はあるけど、それ以上は。」というレベル。業界にもよりますが、インドでは韓国勢が成功している中で日本企業が中々本腰をいれずに来た結果、日本企業が大きく出遅れてしまっているのを見ていると、今のアフリカ、少なくともセネガルでも近い将来同じことが起こると思います。少なくとも家電は、すでに完全に韓国勢が入り込んでいて、我が家に備え付けのエアコン、テレビ、洗濯機、電子レンジは全てLGだし、スーパーに掲げられている大きなディスプレイも、全部LG。

インドと同じことが起きるのを、目の前で指をくわえて見ているのは、忍びない。

もし自分が起業に成功すれば「あんな若造でも出来たんだから、ちょっと見てみようか」とか「現地に日本人がいるんだから、ちょっと話だけでも聞いてみようか」となるかもしれないし、これを目指したい。
もし失敗・撤退すると「言わんこっちゃ無い、アフリカなんて。。。」という、意識がより強化されてしまう。これは、何がなんでも絶対に避けたい。

だから、始めるからには成功をしないといけない。少なくとも、大失敗してほうほうの体で何も残せずに撤退というのは避けなければならない。

何かこんなことを書くと、赤字垂れ流しの事業で早く撤退すればいいのに、意味も無く事業を継続させてしまう典型的なダメ経営みたいだし、経営に絶対なんて無いんですが、少なくとも始める前は、これぐらいがちょうどいいかもしれない、と勝手に思ってます。