セネガルの観光セクターで付加価値税が減税されるが、、、

今日のセネガルのニュース記事によると、2011年1月1日からセネガルの観光業における付加価値税が18%から10%に下がるとのこと。これで、観光客を増やそうじゃないか、という魂胆。

まあ、確かに安くなるのは、旅行者としては有難い。ホテル代とかレストラン代が安いんなら、それに越したことは無い。

でも、付加価値税を8%下げても、観光客が増えることは絶対にないと思う。

例えば、モロッコに行こうとしていた人が、セネガル付加価値税が18%じゃなくて10%だから、行くのをセネガルに使用、ということは、まずない。

逆に言えば、セネガルに行くという人は、付加価値税が10%だろうが18%だろうが、それによって意思決定を変えることは無いだろう。

そもそも、国同士の観光客誘致競争というのは、よほどの価格差が無い限りは競争優位(もしくは劣位)の源泉にはならない。観光に行くのは「その国で経験したい何か」を求めに行くということだけど、その経験の魅力の差こそが競争優位の源泉。

もちろん中には、マレーシアのランカウイ島とタイのプーケットインドネシアのバリのように、同じような「アジアンビーチ」を提供するようなケースはあるし、このような場合には価格差はそれなりに重要になる。

でもこの場合でもやはり、ホテルのホスピタリティとかご飯の美味しさとか、最近行ったかとか、そういうことが効いてくるのであって、値段はおそらく最後。しかも、付加価値税を数%いじっただけでは、旅行者の感覚は変わらない。

セネガルは、先進国観光客を誘致したいのであれば、付加価値税を下げる前にほかにやることがいっぱいあるだろうと思う。例えば、タクシーで交渉をしなくても済むようにメーターで走らせるとか、タクシーをキレイにするとか、空港を出てすぐにタクシーの運ちゃんに取り囲まれるというようなことをやめるとか、いい感じのウェブサイトを英語でも作ってちゃんとアピールするとか、国内移動の交通機関(1時間に1本のバスでもいいから)を整備するとか。宿泊施設は大きくしなくてもいいけれど、清潔感を保つようにするとかちゃんとお湯を出すとか。

こういうことって、先進国や他のアフリカの観光先進国(南ア、ボツワナケニア、モロッコチュニジア、エジプト)に行けばすぐにでも目に付くわかりやすい違いだと思うのだけれど、なぜこういうのを直そうとしないのかが、よくわからない。違いには気づいても、こういうことが観光客にとって「ウザい」ことであるという認識がないのかもしれない。

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Twitterでもネタ的なニュースを呟いていますが、自分の備忘録代わりにその日のブログにも掲載します。

インドのTataが自動車の販売・アフターセールスを行うための営業所をガーナで新たに設立。Tataはガーナに1998年に進出と。インド勢の進出は、今に始まったことではない。http://ow.ly/37Q6q

ナイジェリアで大規模ストの危機。労組は月の最低賃金を2倍以上の$120とすることを政府に要求。最低賃金はここ10年据置。確かにそれは酷い話だ。IMF統計では2001年→2009年で物価は約3倍。http://ow.ly/37Q9v

ガーナで携帯キャリアZainブランドが11月22日に、既に売却されているBharti Airtelブランドへ。ブランド変更時にまた激しいプロモーションがありそうな予感。http://ow.ly/37QnJ

フランス企業が通信企業向けの太陽光併用発電機を開発。85%燃料費用を削減。電力が不安定な国では相当喜ばれるはず。日本は、こういう技術で、きちんと商売ベースで勝負しないと。http://ow.ly/37Qr8

ケニアのスーパーチェーンNakumattがウガンダカンパラで2号店を開店。24時間オープン。途上国でも深夜買い物の需要はあるということと、カンパラの夜は危なくないことが推察される。http://ow.ly/37Qua