アフリカの中間層

フランス語アフリカ情報誌Jeune Afrique(2598-2599)の先週号に、アフリカの中間層についてのデータが掲載されていたのでその一部を抜粋します。半分以上、自身の備忘録代わり。。。

北アフリカでは3,500万人以上が1か月400ドル以上消費している模様
サブサハラアフリカでは半数以上が1日1ドル以下の所得、25%が1ドル〜2ドル、10%が4ドルを消費、15%が9.5ドル以上を消費
・この最後の層は9,500万人の都市圏居住者で、2010年で総額3,270億ドルを消費する計算。1980年は、2,700万人のみだった。
(以上、フランスの開発系金融機関Proparcoの試算)

・このような大きな消費拡大が見えるのは、経済が多様化している国で、南ア、モロッコ、エジプト、チュニジアなど。(ProparcoのDirector)
・こういう「小金持ち(petite prospérité)」が増えてきたのは、過去2年間で現れてきた現象
・これらは、インフォーマルセクターで複数のアクティビティを兼任して収入を得ている人々
・食事、家賃以外を除いて、洗練された医療、教育、電気などへ投資を行った結果として、利益を得ている(以上、ボルドーのInstitut d'études politiqueの教授)
・3億の中間層の1日当たり消費額は2〜9ドル

・2008、2009年の経済危機後、アフリカの平均経済成長率は2000年以降の5%ペースを取り戻す
プリペイドなど地元の需要を取り込んだ携帯セクターが示した通り、きちんとしたマーケティングがあれば、投資に対する十分な利益が見込める

投資事例
・10/11、スウェーデンの家電大手Electroluxは、エジプトのオリンピックグループを3.4億ユーロで買収することを表明。11の工場、7,300人の従業員を抱え、エジプトのシェア30%を有する北アフリカNo.1の家電企業
・Nestléは2009年時点でアフリカに26の工場を有し、26億ユーロの売上を上げているが、2010年から13年にかけて10億ユーロを投資予定。投資先はアルジェリア、DRC、ナイジェリア、アンゴラ
・ダノンは中東アフリカ地域で15の工場を有し、7.53億ユーロを稼いでいる。アルジェリアで昨年初めて、生乳由来のヨーグルト製品を展開。また、今年にはダノン南アフリカを設立。これは2009年12月に現地企業Cloverの100%株式を取得したもの。Cloverは南ア乳製品No.1企業
WalmartはMassmartの買収を計画中
・スイスのValartisグループはアルジェリア初のショッピングモールBab Ezouar建設・運営に7千万ユーロ以上をこれまで投資済。ショッピングモールにはスーパーマーケットや90のブランドショップが入る予定

・Proparcoによる都市圏消費層の人口と消費額予測は以下の通り

ということで、いわゆるBOP層・低所得者層を変に狙い撃ちするんじゃなくて、より購買力を持った層を狙うのもきちんと考えたほうがいいですよね、というお話でした。どっちが良い悪い、簡単難しい、という話ではない。当然ながら、どっちもきちんとマーケティングをするという意味では変わらない。
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(なお、BOPという表現をアフリカローカルの新聞・インターネット記事でほとんど見かけませんが、読者感情を鑑みれば当然ですね。)