タバスキ
セネガルでは11月の終わり辺りに、タバスキという行事があります。
イスラム教の行事で犠牲祭ということらしい。ラマダン明けの1か月10日後がその日。いろいろウェブを見てみると、こういうことらしい。
神アッラーが信仰心を試すために預言者アブラハムに対し、息子イスマイルを犠牲に捧げるよう夢の中で啓示をし、アブラハムは悩んだ結果応じようとすると、神はその信仰心を称えました。アブラハムと息子イスマイルがこの試練を乗り越えたとき、ザビル山の近くで子羊が木に縛り付けられていたそうです。神は、子羊と引き換えにイスマイルの命を救い、アブラハムはその子羊を神に捧げたのです。これが犠牲祭の起源だそうです
http://iihanashik.exblog.jp/7783090/
ということで、タバスキの時期に羊をささげるのはラマダンの時に断食をするのと同じくらいものすごく重要なことであり、みんなが羊を求めることになる。羊が手に入らないことは大問題。ということでセネガルでは今週、タバスキ期間中の羊の状況について、閣議で議論される。
今日の報道を見ると、今年の羊状況は良好で、牧畜相(le ministre de l’Elevage)によれば、一匹35,000フラン(約7,000円)で手に入れることが出来そうとのこと。セネガル全体では69万頭の羊が市場で取引されると見込まれており、ダカール地域では22万頭が調達可能。一世帯に一匹は問題なくいきわたるだろうと、首相が表明。
(ちなみにセネガルの人口は大体1,200万人。1,200万人で69万世帯ということは、一世帯、17人という計算になる。周りの友人でも、一家族せいぜい多くて15人なので計算が合わないけれど、これは、市場で取引されない自家育成羊を持つ家庭がいるから。我が家の近くにもいます。)
また牧畜相は続いて、タバスキ時の特例として、輸入関税の免除、家畜への食糧アクセス、鉄道輸送の活用、牧畜業者への特例の周知、輸送渋滞を避けるためのトラックの規制、家畜の衛生管理強化、融資枠の設定などなどを提言していると。
そして別の政府当局関係者は、タバスキ時に必要となる牧畜業者の短期ファイナンス向けに、5億フラン(1億円)の予算を用意しているという。詳細は不明ですが、おそらく牧畜業者が消費者に対して掛けで販売する一方、羊の餌代の支払いは期限が来るので、その期間ギャップを埋めるためのファイナンスだろうと推察。
ということで国家的大プロジェクトとなる大事なタバスキ。まだ1か月くらいあるのですが、今後どのようなことが起こるのか、注目していきます。