工場見学

今日は、MBAのクラスメイトが働く小麦粉製造工場の工場見学でした。

セネガルでは小麦は取れないので、原料はすべて輸入。それを国内の企業が小麦粉にして、国内に流通しています。

今まで工場見学と言えば、日本の製鉄所とインドの日系自動車工場しかなかったので、本当の途上国の向上というのは今回が初めてです。

結論としては、予想以上にしっかりしているなという印象でした。
品質管理については最新の機械を取り入れて、原料の小麦、製品の小麦粉の双方を定期的にチェックしていましたし、どのプロセスに、今どれだけの量が処理されているのかということが、ほぼすべてパソコンの画面上で管理されていました。

製造設備については、1970年代に導入されたものが大半らしいのですが、それらをソフトウェアと連動させることで基本的には全自動で製造が可能となっています。さらに、設備更新プロジェクトが既に走っていて、近いうちに製造機器も最新設備になるとのことでした。

ほぼすべての製造設備が更新となるプロジェクトなので、その費用は決して小さくないものでしたが、それらは基本的に自己資金で賄うようでした。この会社はセネガル国内で極めて大きなシェアを獲得しているので、十分な資金が積みあがっているようです。

このように、競争力を有しているけれども拡大する市場向けに、また競争力をさらに向上させるために設備投資が必要な企業というのは、アフリカには結構多いのではないかと思いました。いま競争上優位にある企業というのは、80年代、90年代の低成長時代を潜り抜けてきている企業が多く、その間はそれほど大きな設備投資が出来なかったのではないか、と考えられるためです。理由は、1.経済成長が低ければ企業の成長も低い、2.資本市場へのアクセスが今ほど容易ではない、3.競争環境がグローバルではないかったから、です。(完全に仮説レベルですし、ケースバイケースではありますが、こういう例は多いのではないかと思う。)

であれば、設備投資資金を日本企業が資本参加という形で賄いつつ技術支援なども行い、投資先企業の収益性を向上させて配当という成長の果実を得つつ、自社もアフリカ市場の足掛かりをつかむということが可能なケースが、タイミング的にも多くなってくるのではないか、と感じました。