三井物産のモザンビークでの地域貢献プロジェクトについて

三井物産、UNDPと協定、モザンビーク太陽光発電使った地域貢献

三井物産は、モザンビーク太陽光発電を動力源にしたかんがい用水ポンプ設備を建設する地域貢献プログラムを実施する。このプログラムの実施に際して、国連開発計画(UNDP)との間で協定書を交わした。予算総額は約200万ドル(約17億円)の予定で、三井物産が寄付する。設備の設置工事を進め、1年以内の稼働開始を目指す。
(中略)
 太陽光発電システムとかんがい用水ポンプを組み合わせた設備を建設。河川から農業用水をくみ上げて利用することで地域が自ら耕作地を拡大し、農業開発と経済的自立につなげる。太陽光パネルの発電容量は約30kW、かんがいポンプの揚水量は、1日当たり1000m3。対象の村落は村民1万3000人、3200世帯。平均所得は1日平均で1人1ドル(85円)以下という。

同プログラムは、世界の貧困を半減することなどを掲げた国連の「ミレニアム開発目標」達成への協力を目的に展開する。三井物産は、2009年11月に社会貢献として同プログラムを行うことでUNDPと同意。詳細を検討した結果、今回の調印になった。三井物産は今後も積極的に社会貢献活動にかかわっていく方針。

http://eco.nikkeibp.co.jp/article/news/20100913/104773/

このプロジェクトに関して、期待したいなぁと思うことが2点。

1点目は、太陽光パネルやポンプの維持・管理がきちんとなされて、永続的に使われるようになることを期待したいということ。おそらくUNDPも三井物産もそのあたりは考えていて、メンテナンス技術の移転なども行われるものと思います。アフリカの各地で、高度な設備を援助したけれども、そのあとのメンテナンスがなされずに、放置されてしまっているという例は山のようにあるから。

2点目は、ここで得た知見を次のビジネスにつなぐということを期待したい。三井物産は、このプロジェクトを通じて、単なる「いい人という称号」のみならず、多くのものが得られると思う。たとえば、地元農家の農業生産効率改善機会(およびそれを通じた農業投資機会)の発掘や、農村の人々の生活パターンから見た財・サービスのニーズと受け入れられるソリューションの探索。農村部を含めた低所得者層向けビジネスを行う上で、ある意味一番貴重なデータを取れる機会なので、ぜひ有効活用してくれたらと、切に願います。CSRは、マーケティング活動です。