CSR

Twitterでも一部呟きましたが、IBMがガーナに拠点をオープンする運びとなりました。
http://www.ghanaweb.com/GhanaHomePage/NewsArchive/artikel.php?ID=188940

もともと、ナイジェリアには拠点を有していたようなのですが、ガーナにも拠点を有することで、西アフリカ地域の市場開拓をさらに進める、と。

ナイジェリアに投資をしていたことも先見の明があると思うのですが、ガーナでの拠点設立までの運び方がうまい。CSRという形で、現地業界団体を通じてコンサルティングや人材育成を行い、サービスを提供してレピュテーションを上げつつ、そこが市場となりうるか、そこが、開発拠点となりうるほどの技術力があるかをチェックして、行けそうだと判断したところで、進出。

途上国ではマーケティングデータなど無いに等しいなかで、こうしてとりあえず実際に入って行ってみてみる、というアプローチは、手間暇はかかりますが有用でしょう。CSRというのは、こういう風に、実ビジネスと結びつけることが大事で、単に慈善事業をすればいい、というのだけでは、もったいない。

ただこういう形のCSRというのは、気を付けないと一部の現地企業に打撃を与えかなません。確かにただでコンサルティングを受ける現地企業や育成された人材はハッピーだし、CSRを提供する側もハッピー。みんなハッピーかと思いきや、たとえばこの場合だと、もともとガーナにいたITコンサルティングファームは、大打撃を受けるはず。何せ、世界の名だたる企業が、ただでサービスをすると言って売り込んでくるのですから。しかも向こうは、CSRという旗印を掲げてくるから、たまったもんじゃない。

なので、CSRとかプロボノ活動とかを途上国向けにするのはいいと思うのですが、その場合には、エンドユーザーに対してするのではなく、現地で、同じサービスを提供しているけれど、まだまだ未熟な会社(今回の例でいえば、現地のIT企業とかそれを取りまとめる団体とか)に対してトレーニングを行うなり、共同プロジェクトを行う、というのが現地企業も含めてフェアかつハッピーになる形ではないかなと思います。IBMのケースもそうだったんだろうなと祈りつつ。。。