緊急度・重要度マトリクスとアフリカ投資

仕事の優先順位付けでよくある「緊急度」と「重要度」という軸。これを使って、日本企業の対アフリカ投資がどういうポジショニングにあるのかを考えてみたいと思う。「日本企業」にしても「アフリカ」にしても一般化することの危険性は認識しつつも、どうなるかを試してみることに価値はある(かもしれない)。

今の日本企業にとって「緊急」かつ「重要」なのは、「このままだとキャッシュが流出するだけだ」という事業の修正や売却をして、キャッシュの流出を防ぐ、ということでしょう。血が出てるなら、とりあえず止めましょうよ、ということ。アフリカなんてのはそもそも事業をあまりやってないだろうから、対象にはならない。
では次に、「緊急」かつ「重要でない」のは、「今のままでとりあえずキャッシュは入ってくる」という事業の日々のオペレーション。日々課題が発生してテキパキと対応することが求められる。ここも、基本的には既に戦っている市場が対象になるから、アフリカという視点は入ってこない。
次に、「緊急でない」かつ「重要」のは、「会社の長期的な成長のために戦略的な投資をする」ということかと。そうすると今戦っていない市場が対象になってきます。それではそこにアフリカは入ってくるかというと、、、たぶんあまり入ってこない。せいぜいインド、東南アジア、ブラジル、中東欧でしょう。
そうすると、消去法的にアフリカ投資というのは「緊急でない」「重要でない」に入ってくる。感覚的には、これであっているんじゃなかろうか。

そうすると、日本企業によるアフリカ向け投資というのは、人・お金ともに相当余裕のある会社が、すごーく長期を見据えてとりあえず手をつけておくか、的なものになる。今の世の中そういう日本企業はあまり無い。自分としては、ビジネスでアフリカの成長を加速させたいと考えているので、それじゃあこの部分に日本企業がリソースを配分できるようになるにはどうすればいいかを考える。

方向性は三つ。一つ目は、日本企業に「緊急でない」「重要でない」以外の3つの分野での業績を上げてもらって、アフリカ向け投資にリソースを振り向けるだけの余裕を作ってもらうこと。二つ目は、アフリカ企業・市場の魅力を高めて、「緊急でない」「重要でない」カテゴリーを脱出させること。三つ目は、二つ目に近いけれども、アフリカ市場は「重要である」という「認識」を日本企業の企業幹部に持たせる。

自分が貢献するとすれば、1つ目であれば日本企業の業績向上の手助け。2つ目であればアフリカ企業の業績向上の手助け。後者は、アフリカ企業に入るやり方と、アフリカ企業向けにコンサルティングをするやり方と、アフリカ企業をファンドとして買収して、バリューアップするやり方。3つ目であれば、アフリカ向け投資のM&A仲介会社を作って、積極的にディールの発掘をして情報提供する、ということになるか(山師って言われそう)。

三つ目であれば、今の立場でも情報発信はいくらでも出来るから、本当はやらないといけないんだろうな。。。