アフリカン・ルネッサンス

ちょっと前の話なんですが。
ダカールには、高さ50メートルに及ぶ、大きな銅像銅像としては高さ世界一らしい)があります。こんな感じ。家からも小さいながら見えます。日本でももしかしたらニュースになったのかも。

(wikipedia(http://en.wikipedia.org/wiki/African_Renaissance_Monument)から引用)

これは、現職のワッド大統領が、独立50周年を記念して作ったもの。今月3日(独立記念日の前日)に、アフリカ諸国から元首級を招いてオープン。
セネガルは、経済援助も受けるような国なのに、この像を作るのに120億CFA(約24億円)かけて作ったということで、まあ当然ながら海外、特に欧米からは非難を受けています。国内でも、少なくとも自分の通っているMBAのクラスでは相当冷ややかに見ています。
こちらで購入できる雑誌、Afrique Magazineの3月号に大統領独占インタビューが載っているのですが、何で作ったのか?という質問に対して、「5世紀に及ぶ西欧社会への奴隷状態、2世紀に及ぶ植民地時代、1世紀に及ぶ暗黒時代を経て、今アフリカは西欧社会と協力関係にある。これからは、アメリカやヨーロッパを目指して、ダイナミックに前進しよう」ということを答えています。ちなみに、子供の指先はアメリカを向いていて、これが西欧社会を目指すということの象徴らしい。このメッセージ自体、精神的には依然として西欧社会に隷属しているということを表していると、個人的には思っています。

また大統領は、この像を作ることの費用的な面の批判に対して「国家予算からは1CFAも出していない。国有地を売却した代金で作ったから。このファイナンス方法を思いついた自分をみんな称賛すべきだ」と述べてます。やってることもしょぼいし、これを堂々と言ってしまうところもまたしょぼく、なんだか、ため息しか出ない。さらに、この像を作ることを思いついた大統領は、自分に知的所有権があると主張し、この像の観光収入の35%を、個人として受け取ることを主張。脱帽。

なお、この像を建設したのは、なんと北朝鮮の会社(万寿台海外開発会社、Mansudae Overseas Project)が建設したらしい。どうしてこの会社を選んだのかが不思議だし、北朝鮮に外貨を稼げるような会社があるというのも、また不思議。

大統領いわく、この像は今後の数百万人が訪れる観光名所になるであろうといっています。今のセネガルへの海外からの年間訪問者数は、(同じ雑誌の別の記事を見ると)40万人ということ。ダカール自体はそもそも他にあまり見るところも無いので、確かに100万という単位はそれほど現実離れしていないみたい。不可能な数字ではなさそう。内部は、エレベーターで頭のところまで上がれるようになっているらしいので、自分もそのうちネタ的に一回は行ってみようと思います。でも、初期不良が怖いので、ちょっと時間を置いてから。

アフリカ・ルネッサンスのウェブサイト http://www.monuraf.com/en.html
wiki英語版 http://en.wikipedia.org/wiki/African_Renaissance_Monument
wiki日本語版 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%83%8F