結果責任はどのレベルから負わせるのか?

たとえば、営業課長。
成果は売上ですが、売上未達時に責任を取るべきか?一義的には、Job Descriptionに依存するものと思います。例えばJob Descriptionに「会社の与えた目標を達成すること」というのがあれば、それを達成することがJobなのだから、Jobを完遂しなかったということで責任を取らせるのは、それなりに筋があるかと思います。
ここで考えたいのは、そのJob Descriptionに売上の達成を記載するのは、どのレベルからが適正なのか、ということ。理論的には、新人社員を含めて記載するというものから、社長を含めて誰にも結果責任は負わせない(その代わり、会社としてあるべきプロセスを確実にこなさせる)という選択肢があり得る。これを人事評価という観点で見ると前者は、完全な成果主義で、後者はプロセス主義と言える。 ポイントは、Controllability。例えば、誰に営業をかけるのか、営業をどうやってかけるのか、と言う選択肢が与えられていない社員に対して営業の結果責任を負わせるのは、おそらく納得がいかない。逆に、営業プロセスを自由に管理できる社員が、その社員の好きなようにやった結果に責任を持たないのも、不健全。
だから結論としては、結果責任を負わせるのは、社員のレベルに依存するのではなく、誰が何をコントロール可能なポジションにいるのかに依存する、ということだと思います。もちろん実際にはそれほど綺麗にスパッと区切りを入れられることはなくて、例えば、営業課長は営業先を選ぶ権利はあるけど、そのためのマーケティングや商品開発には権限がないと言うのが普通。それでも、営業数値に影響を及ぼす構成要素(例、営業プロセス、マーケティング)について立案できる権限を持つ人は、目標達成責任の一端を負わせる必要があると思いますし、立案されたプロセスを実行する人は、着実なプロセスの実行責任を負わせるというのが原則になるのかなと思います。あとはこの原則に、権限を越えた改善提案などをしたらプラスアルファの評価を加えて、組織の活性化を目指す、ということも必要でしょう。