グアンタナモ

映画を観てきました。「グアンタナモ、僕達が見た真実」

これは、罪の無いイギリス在住パキスタン人青年3人が、アフガニスタンタリバンの一味として捕虜にされてグアンタナモ基地に連れて行かれるという事実に基づく話。

グアンタナモ基地の人権蹂躙については、幅広く報道されていますが、当該基地に収容されていた人物が描くのを観ると、かなりバイアスがかかっているであろうと言うことを差し引いても、どれだけひどかったかが分かる。
アルカイダと全然関係ないのに、「アルカイダの一味だろ?」と尋問されて、「違う」と答えると殴られて、また同じ質問をされて、同じ答えをして、殴られて、、、というのはまだ普通。
一番観ててキツかったのは、真っ暗な個室に連れて行かれて、両手両足を手錠で脚に固定された状態で、大音量の音&光に長時間さらされるという拷問。もう、ありえないですよ、こんなの。
あとは、最後に彼らが潔白であると言うことが分かっても、「我々に協力しないか?そうすれば、2週間で釈放してやる」という科白。「釈放」って、無実の人に使う言葉じゃないつーの。しかも、自分たちが悪いことをしたと言うのを全くもって謝らない。

ただ思うのは、こういう行為と言うのは、ナチスユダヤ人大量虐殺と一緒で、現場の人間にはきっと罪悪感とか無いし、あくまで上官に言われたことを忠実にやっているだけという意識しかないんだろうなと思うということ。結局、最上層の人間の考え方(この場合は、大統領とか国務長官とかそのクラス)に依存するわけで、それが反映されているんだろうなと思いました。

それにしても、こういう人権蹂躙と言うのは、きっと世界のあらゆる捕虜所とか難民キャンプとかで行われていることだろうし、そういうのを解決するには、政治的な介入をすることももちろん、それを促すためにこういうことが起こっているということを積極的に発信することが大事なのかなと思いました。そう考えると、国連の人道調整官に求められるものは、ただ単に現場で問題解決にまい進するだけではなくて、それを積極的に、政治的に中立な立場を守りつつ発信することなんだろうな、きっと。

久しぶりに、映画を見て、呆れとともに憤りを感じた気がします。

あと、この映画、グアンタナモ基地の話だけじゃなくて、アフガニスタンが当時どういう情勢だったかも描かれているので、そういう意味でも意義深いかもと思いました。少しでも興味を覚えられた方は、こちらをごらんいただければと思います。http://www.guantanamo.jp/intro/index.html