水曜の朝、午前三時

以前、感想を書く書くと言っていて完全に忘れていたのですが、本日、友達から返ってきたのがきっかけで、思い出しました。(Makiさん、遅くなりました。。。)

感想ですが、一言で言うと、「人生において、自分の進路を考えるとき、一番大事にするべきなのは、自分の内なる強い思いであるけれども、その決断をする際には、十分に頭を使って考えることが重要である、ということを再認識できた」という感じです。

主人公の直美は、人生においては、3つの重要性について述べているように見えます。1.各自が持つ内なる想いの重要性、2.困難を楽しむことの重要性、3.熟慮することの重要性の3つです。この3点を重要視するという点が、自分の人生観とかなり近くて、わが意を得たり、という感触を受けました。また、これを述べるときの主人公の状況(まもなく死んでしまうことが分かっていて、この重要性を、自分の半生を題材にして愛娘に必死に伝えようとしている)が加わると、とてつもなく哀しいのだけれど、希望を持たせてくれる、渾然一体とした圧倒的な感情の波がやってきて、思わず涙腺が緩んでしまうのです。

今日、考えていたことなのですが、自分の目指すべき人生のテーマとして、「Exciting & Calm」というのがあります。どういうことかというと、人生をマクロで見ると、とてもExcitingなのだけれども、Microでみると、しっかりとCalmもある、という状況です。イメージ的には、大波のチューブをサーフィンでくぐるようなイメージ(大波というのは、明らかにExcitingな状況ですが、くぐっている状態自体は、チューブの中で安定しているという意味でCalmな状態。)自分の経験で言えば、インドに行くというのは、自分からするとそれなりにExcitingな経験だったわけですが、行ったら行ったで、心を落ち着けて、安らぐことが出来るCalmな状態もある。こういう状況を、とても楽しい!と感じるし、充実感を覚えるのが自分の性分だし、そういうことを繰り返すと、より高次のExciting性とCalm性を楽しめるようになるのではないか?という仮説を抱えて生きてきたし、今後もそういうことをしていきたいと思っています。

このExciting&Calmを実現しようとする際には、当然障害があります。その障害は、自分をToo excitingな方向に持って行ってしまうかもしれないし、逆にToo calmな方向に持って行ってしまうかも知れない。いずれにせよ、その障害に対して立ち向かうときに重要なのは、楽しむということと、十分頭を使って考えるということ。でも、最終的には自分の内なる想いを基準にすること、このバランスをいかにうまく取るかによって、人生に対する満足度が変わってくる、というのが今の自分の考え方だし、この本でも述べられていたことだと思います。

ちなみに、同じようなことは、ちょうど今日で読み終わった、パウロコエーリョの各作品で述べられているテーマにもかなり近いです。彼の著書の中では、人生における試練とは、自分の夢や目標を達成するために、神が与える試練であり、それはクリアできるものである。それをクリアしていくことで、夢や目標を達成する目の力を神が与えてくれる、という言い方をしています。

ここまでが、この本を読んだ感想の主要な部分ですが、それ以外の点だと、この本に出てくる「礼儀正しい、お利口さん」にだけはなりたくないし、なってはいけない、という思いを抱きました。自分1人で過ごしているうちはいいけど、パートナーを作り、ともに楽しく生きていくことを考えるのであれば、こうなってしまって、面白みがなくなってしまうことだけは、絶対に避けよう、と思いました(逆に言うと、今まではそうだったなぁと思い当たる節があるということなのですが。。。)。前述の、Exciting & Calmを目指せば、こうなることは無いといえば無いのですが、それでも、ミクロで見たときに、何人かに対しては、こういう自分になってしまっている可能性があるなぁと思いました。どういう人に対してかというと、自分が本当に大切にしようと思っている人に対して、こうなっている可能性が高い。その人との関係性の維持を重視するために、短期でのその場の安定を求めてしまって、ちょっとしたリスクも犯せなくなっている=つまらない人間になっている可能性がある、と思いました。だから、そういう大事な人が相手であればあるほど、きちんとリスクをとって、一緒に楽しめるような、そんな風にならなければ、と思いました。そして、一緒に、Exciting & Calmを味わって行きたい。

こんな感じです。とにかく、かなり、おススメな本です。自分が購入してから、もう2ヶ月くらい経つと思いますが、未だに、自分の働いているビルの書店で小説部門第一位ってのが、すごい。