定食と懐石料理とフランス料理の料理人

昔、ある料理人が、定食屋さんで、バイトをしていました。庶民的な味で、肉じゃが、ほうれん草のおひたし、など、お袋の味を出すような定食屋さんで、3年半ほどを過ごしました。ところが、一念発起して、フランス料理のシェフを志し、1年ほど前から、フランス料理の修業を始め、まだまだひよっ子ではありますが、実際にレストランでお客さんにフランス料理を出し始めて、半年ほどがたちました。未熟ゆえに忙しいですが、成長を感じ、充実した日々を送っています。
ところが、実は昔の定食屋さんと今のフランス料理のレストランは、同じ会社が経営していて、ある日、会社の経営陣から、「今度、懐石料理をわが社で作らないといけなくなってしまった。昔和食やってたみたいだから、作ってほしい。」と言われました。「作ってほしい」というのは、すぐに高級料亭で働いて、第一線で、お客さんに料理を提供するようになるということです。特に、懐石料理のための先輩をつけてくれるわけでもなく、自分で、本を買って勉強するしかありません。
この料理人は、途方にくれました。同じ和食とはいえ、和食屋で求められる定食と、高級料亭の懐石料理では求められるものが違いすぎます。しかも、今のフランス料理の修業も中途半端になってしまう。。。

ま、現実にはなさそうな話ですよね。
ところが、現実にあるんです。ここに。
実は、今日、自分に新しい仕事の話が舞い込みました。とはいっても、決定ではなくて、5%くらいの可能性ですが。
その仕事、自分がこの料理人になったような感じの仕事です。とってもとってもヤバイです。もうすでに、5%くらい途方に暮れてます。この話、無くなって欲しいなぁ。