キャリアを考える軸を考える。3つ?4つ?

一つ目の軸は、個人の自己実現という観点で考えてみたいと思います。近年、この個人の自己実現というものが、とても重視されるようになっていると感じます。いろいろな理由があると思いますが、個人の自己実現というものが、会社、従業員の双方にとって大事になってきたからだと思います。


自己実現を目指すことで、従業員はモチベーションが高くなり、モチベーションが高ければ、「やりがいがない」といって、離職する可能性を減らすことが出来ますし、成果も高くなるでしょう。


なぜ、自己実現を目指すとモチベーションが高くなるのか?自己実現とは、「やりたいこと」「ありたい姿」を実現することですね。やりたいことをやる、もしくはそれを目指すのであれば、モチベーションは上がる、という論理ですね。


したがって、キャリア形成の一つ目の軸は、「やりたいこと」ですね。


二つ目の軸は、会社の組織運営という観点から考えてみたいと思います。
会社は、基本的に複数人数が集まって運営される組織です。となれば、当然「適材適所」で人材を振り分けることを会社は考えます。
これを、振り分けられる側の視点で言い換えれば、会社から割り当てられた役割をこなす、ということになります。会社に所属して、そこに貢献をする対価として給与を貰うのであれば、この与えられた義務は果たす必要がありますね。


したがって、キャリア形成の二つ目の軸は、「やらなければいけないこと」ですね。


三つ目の軸は、一つ目の軸と二つ目の軸、個人から見た希望実現内容と、会社から見た希望実現内容、これを満たすための、能力、が軸になると思います。言い換えれば、「できること」ですね。


整理すると、キャリア形成とは、
・やりたいこと
・やらなければいけないこと
・できること
を考えた上で、個人の自己実現を目指す、ということになります。


この三つの軸を満たす領域をどのように設定するか。また、短期的、中期的、長期的にそれぞれ考えることで、最終的な自己実現を、目の前の、短期的なキャリアプランにブレイクダウンすることが出来ます。


今回は、個人のキャリアをターゲットに考えましたが、実は、全く同じ考え方が、企業の戦略立案にも通じます。やりたいことは、「ビジョン」、やらなければいけないことは。「ミッション」、出来ることは、「事業内容」でしょう。


企業のキャリア設計を、別の言い方で言えば、「成長戦略の立案」になります。
一般的に、企業の成長戦略(アンゾフの成長ベクトル)では、「商品」軸と、「顧客」軸で分けます。それぞれ、既存商品・新商品×既存顧客・新顧客の2×2=4象限にわけて考えます。


話が込み入ってきましたが、ここまでで言いたかったことは、
・キャリアの軸は、「やりたいこと」「やらなければいけないこと」「できること」の3軸。
・個人キャリアの軸は、企業の成長戦略と類似
・企業の成長戦略は、「商品」と「顧客」、「既存」と「新規」で分けられる。
ということです。


さらに企業の成長戦略を、個人のキャリア設計の軸に加えることが出来ないかを考えてみます。


「商品」とは、個人で言えば、能力ということが出来るでしょう。「できること」とほぼ同義と言っていい。
「顧客」とは、簡単に言えば、商品を売る相手ですね。これは、「どこの、誰に」という2つの概念で考えることが出来ますね。これを、個人のキャリアで考えてみると、「どこで自己実現を果たすか」という空間軸になる。
具体的に言えば、自己実現のターゲットとして、今の部署をターゲットにするのか、今の会社の別の部署をターゲットにするのか、別の会社をターゲットにするのか、自分で会社を立ち上げてそこをターゲットにするのか、というのを考えることでしょう。


今日は、個人のキャリアの3軸から始まって、企業の成長戦略、さらにその要素をを取り入れた、個人のキャリアの4軸について書きました。ちょっと無理やりかもしれませんが、個人の成長戦略と企業の成長戦略には、通じたものがある。これは、大事なことではないでしょうか。結局、会社は、人の集まりなのですから。


それでは、今日はこの辺で。