友達のために、働く。

こっちで知り合った友達で、日本語教師をしている友達がいます。
その友達曰く、インド人の金銭感覚について、

  • とにかく、貯めない。1ヶ月の給料は、1ヶ月で使い切る。
  • なくなったら、友達から借りる。というか、実質的には貰ってる。貸す側も、あまり返してもらうことを期待していない。

ということが言える、とのことです。


もちろん、個人差はあります。しかし、こういう人が多いのは、事実です。


インドでは、友達間の共同体意識が、ものすごく強いんですね。また、お互いに助け合う、という精神がこれまた強い。したがって、友達からお金を貸して欲しいと言われると、あまり断らないし、返すことも特に期待しない。


極めつけに、友達が友達のために、働く、ということもあります。
たとえば、友達Aが普通の職業についていて、友達Bが家の事情や、本人の能力、また、(今でも厳然と残っている)身分の問題で、あまり稼ぐことができないとします。


こうした場合に、友達Aが友達Bの分も働いて、友達Bにお金をあげる、ということがあるそうです。


友達Aに話を聞くと、「彼は、事情があって、あまり稼げない。自分が働いたほうが、効率的に稼げる。だから、自分が働く。」という答えが返ってくる。


インド人にとって、お金はかなり重要な地位を占めます。今の会社のインド人に会社に入った理由を聞くと、一番にくるのはお金ですし、日本語を習っているインド人に日本語を習っている理由を聞いても、一番にくるのは、お金。インドでは、ある程度のお金が、定期的に稼げればそれなりの生活ができますが、それができない人がとても多いこと、仕事もそれほどあるわけではないこと、稼げなければ、路上生活を強いられることを日常生活の中でわかっているからかなだと思います。


それほど、大事なお金ですが、友達のためであれば、あげることも厭わない。この友達意識の強さは、注目すべきだと思います。


インドのGDP成長率は、7%を超えます。今後、中国と同様か、それ以上に、ビジネスの場として、間違いなく重要な位置を占めるインド。


中国の「家」のつながりの強さが、中国ビジネスにおいて、重要な意味を持つのと同じように、インドビジネスにおいても、重要な意味を持つ、頭に入れておくべき事実だと思います。


それでは、今日はこの辺で。