アンゴラの物価高とその背後にある急成長

日本のIT企業のエンジニアによるアンゴラ出張の記録です。アンゴラの物価の高さが伝わってきます。
http://blogs.itmedia.co.jp/narisako/2011/08/post-822c.html

首都ルアンダは、駐在員にとって世界一コストの高い都市として知られています。
ピザ1枚5,000円、といった都市伝説もあります。(数年前までは本当にそうだったようです)
http://www.mercer.com/press-releases/1311145

なぜそれほどコストが高いのかといえば、お金を持った多国籍企業が続々と進出している一方で、供給が追い付いていないためです。

なぜ多国籍企業の進出が続くのか?アンゴラは、原油資源を背景に急速に経済成長を遂げています。最近は減速していますが、2005年以降の経済成長率は驚異的です。これが、多国籍企業の進出が続く理由です。

アンゴラ実質経済成長率(IMF統計)
2005年:21%
2006年:19%
2007年:24%
2008年:14%
2009年:2%
2010年:2%

また今後も、堅調な成長が見込まれています。
2011年:8%
2012年:10%
2013年:7%

人口もつい最近発表された統計で2000万人を突破しました。
http://www.afriquejet.com/population-angola-2011080419930.html

同国はポルトガル語圏ということもあり、経済発展の著しいブラジルからの投資も増えてきています。それを受けて、ブラジルの投資促進機関もアンゴラに事務所を構えるほどです。

投資分野も、資源関係のみならず、セメント、衣料、農業、インフラ、製造業、ITなど確実に種類は増えつつあります。(セメント、衣料分野では日本企業もビジネスをしています。セメントは双日、衣料(繊維)は丸紅がそれぞれプラントを納入。)

政治も安定しています。現職のドス・サントス大統領は、既に31年在位についています。2012年に選挙が行われる予定で、その後5年×2期=10年間は大統領に居座ることが可能です。独裁、といえなくもないですが、少なくとも2021年までは政権が安定するとされており、アフリカ最大の銀行であるスタンダードバンクも「アンゴラの政治リスクは低い」としています。
http://www.howwemadeitinafrica.com/political-risk-in-angola-is-limited-says-standard-bank/6993/

政治が安定し、価格が高騰する資源があり、経済が成長。その成長をターゲットに、資源以外の分野でも投資が増えているとなれば、同国は当面高成長が期待できると考えています。