トリノ 男子回転

回転、という種目をご存知でしょうか。スラロームとも言われます。

競技スキーをやってる人にとっては、当たり前のことだけど、少し説明。

アルペンスキーというのは、コースの上から下まで、2本の棒(ポールっていいます。)を1つのゲート(旗門って言います。)とみなして、たくさん旗門が並んでいる斜面を、旗門を通過しつつ如何に早く滑り降りるか、を競う競技。
種類は4種類。
1.ダウンヒル・滑降(DH)
2.スーパージャイアントスラローム・スーパー大回転(SG)
3.ジャイアントスラローム・大回転(GS)
4.スラローム・回転(SL)

1から数字が挙がるにつれて、より旗門の設置間隔が小さくなります。なので、ターンが小さくなる。

そんなアルペンスキーですが、日本人の存在というのは、極めて薄い。
オリンピックの成績だけ見ても、入賞(8位以内)したのは50年前、ということだけでもその薄さが分かると思われます。

そして、アルペンスキーは、合計タイムで順位を争います。そんな競技。


で、今回のトリノ

何度かこのBlogで書いているような気がしますが、今の部屋にはテレビというものがありません。なので、オリンピックは、見てない。

でも、この男子回転だけはどうしても見たかった。
なぜなら、このオリンピックの直前のレースで、佐々木明という別の日本人が2位を取ってたので、十分メダルの可能性があったし、私が、一応競技スキーをやってたから。

なので、六本木の東京スポーツカフェで、観戦。

ところが、言ってみると、BSのフィギュアしかやってない!

これじゃあ、見れんじゃない。。。と思い、半分だめもとで、「NHKで男子回転やってるから、変えてもらえません?日本人も出てるんですよ!」といったところ、親切な店員さん、私の目の前の画面だけ、NHKにしてくれる。

1本目を終わった段階で、皆川健太郎が3位(しかも、トップと100分の7秒差)。佐々木明が8位。湯浅直樹が14位。
周りの外国人&日本人の方々、全く見てませんが、これはハンパなくすごいことなのです。

この盛り上がりを、誰か分かる人と共有して、2本目を見たい、ということで、大学のサークル時代の友達に電話をかけ、六本木から日暮里までタクシーを飛ばす。

で、2本目。

まず、湯浅。
すんごい、攻める。
むっちゃ、攻める。

で、1本目17位から、滑り終わった時点で1位!

すごい攻めて、板も暴れるんだけど、どうにかしてリカバる。このスタイル、皆川健太郎に似ていて、個人的にはすごい好き。スリル満点。

次に、佐々木明
なんと、


2旗門で、片反(片足通過反則)。ポールとポールの間を通らないといけないのに、またいじゃったわけです。。。まあ、最高のタイムと片反は、本当に紙一重なので、難しいところですが、完走してほしかった。

最後に、皆川健太郎
例によって、むっちゃ攻める!
友達と一緒に、夜中の日暮里で画面に見入る!

で、滑り終わった時点で、3位。2位とは、100分の3秒差。
その後、3人滑って、3人とも、健太郎の上をいったので、結局4位と相成りました。

で、最終的には、
湯浅 7位
皆川 4位

これは、すごい。

たとえて言うなら、夏季オリンピックの100メートルファイナルに日本人が出場して、4位を取るのと同じくらい、すごいのです。本当に。

皆川は、4年前のソルトレークの後に、右足靭帯断裂を味わってます。これになると、ひざの曲げ伸ばしができなくなるので、スキー選手としては致命的。普通、選手を辞めるのですが、そこから、手術、リハビリを通して、世界のトップにまで返り咲いての、今回の4位。

とっても、緊張し、感動しました。シビれました。