ジャマイカ − 楽園の真実

3週連続での映画鑑賞。本日は、ジャマイカ − 楽園の真実

この映画は、ジャマイカのリゾートやレゲエの発祥地、という一般的なイメージとは違う、ジャマイカの脆弱な経済状態を映画化したもの。

東京だと、渋谷のアップリンクXという小さな映画館(上映スペース、といったほうが良いかも。)でしかやってないし、毎週日曜日、20時からしかやらないのですが、そのせいもあってか、今日は満員でした。

言いたかったことは、こんな感じ。

1.英国からの独立により、ジャマイカは財政難に陥った。この財政危機を乗り切るには、IMFによる資金援助しか手がなかった。
2.IMFによる資金援助は、有利子であるので、負債の返済額がとても大きい。(IMF分だけではないですが、年間予算の52%は負債の返済に充てられています。)
3.IMFによる資金援助を受けるためには、IMFが提言する経済政策を受け入れないといけない。これは、基本的には自由経済をしたものであり、農業保護政策、高率の関税など、立ち上がり直後の国家に必要とされるような政策を禁止されてしまう。
4.2と3の結果、ジャマイカの主要産業である農業は、米国からの安い作物に負けてしまい、経済が立ち行かなくなってしまっている。また、米国系企業がジャマイカに工場などを作っても、極めて低賃金(1日1ドル以下)のため、利益が搾取されるだけで、生活の向上にはつながっていない。

苦しい状況です。

もし、ジャマイカの大統領から、「どうにかしてくれ」と頼まれたら、どうしよう?と考えました。

私なら、こう考えます。(映画以外の情報がないので、相当抜けや漏れがありそうですが。)

大枠 − IMFWTOの政策で、産業保護は難しい状況。であれば、ジャマイカが強みを発揮できるもので、国際競争力をつけるという方向性にもっていく。
ドメイン1 観光誘致。すでにやってるけど、今は、ビーチ客がメイン(だと思う)。これを、ビーチ以外にも拡大して、観光立国にするという方向性にする。
ドメイン2 農業。作物自体は、とても良いものが取れる(とくに、フルーツ系)。ただ、今はアメリカとの価格差がありすぎるから太刀打ちできないものの、農業生産性を高める政策を取ることで、同じコストでもよりよいものを、もしくは同じものでもより低コストで生産できるようにする。

ドメインとも、実現するのに必要なものは結構似ていて、

必要なもの1 インフラ。観光立国にするのであれば、国内移動手段、宿泊場所、生活環境は整備して、より観光客が気安くする必要がある。農業であれば、灌漑や耕地の効率化政策が必要になる。
必要なもの2 教育。観光という面で言えば、観光業の経営はもちろん、海外からの観光客とのコミュニケーションが国民全体である程度円滑にできないといけない。また、倫理観の教育も大事(外人をカモとみなしてしまうと、バックパッカーは来ても、金持ちは中々来ない。)農業という面で言えば、いくら技術が向上しても、これを使いこなさないと結局生産性はあがらない。

あなたなら、どう考えますか?