成功と失敗。内的要因と外的要因について。

内的要因とは、自己の内部にある原因・理由のこと。逆に、外的要因とは、自己の外側にある原因・理由を指します。


一般的に言われることとして、
1. 人は成功体験をしたとき、その原因を内的要因に求める。
2. 人は失敗体験をしたとき、その原因を外的要因に求める。
とされています。
臨床心理学における常識のひとつですが、普通に考えても納得できると思います。


テストを例に挙げてみます。
テストで点がよかったとき、自分の努力のおかげと考えて、点が悪ければ、時間がなかった、と考えたりするようなことです。
やたら傲慢なように見えるかも知れませんね。謙虚な人は、逆に考えることもあると思います。しかし、誰しも多かれ少なかれ心のどこかで上記のようなことを考えるのではないでしょうか。


自分は、上記の思考は否定しません。自己の尊厳を守るための、人間の本能であると考えられるからです。
しかし、上記のような思考を、最近は否定しがちです。特に、何かを失敗したときに、人のせいにする、ということをあまりにも悪く考えすぎるあまり、逆に、過大に自己の責任にしてしまうことがある。


重要なのは、バランスだと思います。


成功したときに、自分「だけ」のおかげであると考えるのは、少し傲慢かも知れません。自分を支えてくれる人、環境があってこその成功だからです。しかし、自分のおかげという点を完全否定してしまっては、それまでがんばった自分がかわいそうですし、次の成功につなげるべく自分の中のベストプラクティスを見失ってしまう可能性があります。


逆に、失敗したときに、自分は全く悪くない、と考えるのも、少し傲慢ですね。自分自身の失敗、もしくは自分が所属する組織の失敗を防ぐことが出来なかった責任が、少しはあるはずです。そして、全く自分が悪くない、と考えることは、自分の失敗から学ぶということを難しくしてしまいます。しかし、すべてを自分でかぶってしまうのは、精神衛生上悪いことですし、必要以上に自分を責めて、いいことは何もないでしょう。失敗して凹んだときには、思い切って、他人のせいにしてみる、それで少し楽になったら、自分に何が出来たか、その失敗から何を学ぶべきなのかを、考える。こういう使い分けが大事だと思います。


成功したときも、失敗したときも、常に内的要因・外的要因が存在するはずです。それらを、適宜使い分けることで、自分の精神状態を健康に保ちつつ、いろいろと学ぶことが出来ると思います。


それでは、今日はこの辺で。