組織としてのサービスの重要性

飛行機のチェックインカウンターでの出来事です。
自分は、小さなトートバッグと、大きなバッグを持っていて、大きなバッグのほうは、預けるつもりだったので、往路、ハイデラバードにてチェックインの際に、荷物も一緒にチェックインするつもりでいました。
しかし、自分の荷物を見たカウンターの担当者は、「たためば小さいし、軽いから、機内に持ち込んでも大丈夫」と言いました。
確かに、自分の大きいバッグには、ほとんど何も入っておらず、スポーツバッグなので、たたむことも出来て、機内に持ち込んでも問題ないレベルのものでした。結局、バッグを畳みながらですが、持ち込むことにしました。普通は、機内に持ち込める大きさを上回っている、しかもトートバッグとあわせて2つの荷物なので、持ち込みは難しいと思うのですが、現場での柔軟な運用に感心しました。


ところが、復路では、それが出来ませんでした。
実は、ドバイからの帰国が会社に行く日の早朝だったので、出来るだけ早く空港を出なければならず、行きと同じように、すべての荷物を機内持ち込みにすることを考えていました。


チェックインカウンターでは特に問題はなかったのですが、搭乗ゲートにて、航空会社の担当者に「大きすぎるし、機内に持ち込める荷物は1つだけだからから、持ち込みは出来ない」と言われました。


バッグ自体畳めば小さくなること、往路では問題なかったこと、チェックインカウンターでも特に問題なかったことを主張したのですが、規則に反するからの一点張りで、結局預けることになりました。


最終的には、荷物は無事出てきたので、結果的に問題はなかったのですが、この復路での対応には、気分を害されました。


ここから、サービス業における、個人としてのサービスレベルと組織としてのサービスレベルの連動の必要性がいえると思います。


今回の場合、往路の担当者は、過去の経験、担当者の親切心などから、柔軟な対応をしてくれたと思います。
しかし、もし、往路から普通に荷物をチェックインしていたとしたら、復路でも同じように荷物をチェックインし、気分を害されることはなかったはずです。


コールセンターや銀行の窓口業務など、すべてのサービス業にいえることですが、個人の創意・工夫によるマニュアル・規則以上のサービスは、時に、顧客の満足度を低下させることになります。


創意・工夫によるサービスを提供された顧客は、将来も継続してそのサービスが、組織から提供されることを期待します。
しかし、それが共有化されず、あくまで個人の工夫のレベルで終わってしまうと、早晩その顧客は、マニュアルどおりのレベルしか提供しない担当者に当たり、「この前は、○○をしてくれたのに、今回はしてくれないのか」とか、「○○をしてくれると思ったから申し込んだのに、がっかりだ」という状況が発生することが容易に想像できます。


サービス業において、顧客をより満足させるための、個々人の創意・工夫はもちろん必要です。しかし、それが組織全体に徹底されない限り、組織として恒久的な顧客満足は得られない。逆に、組織に対する顧客満足を低下させる可能性がある。こういう観点から見た場合の、情報共有の重要性、マニュアルの頻繁な更新の重要性は、認識しておくべきでしょう。


それでは、今日はこの辺で。