事例を作る、語る。

http://www.atmarkit.co.jp/fbiz/cstaff/serial/hk/03/01.html
IT系の情報を仕入れるために、定期的に見ている@ITの記事です。シリーズ物で、「できるPM」と「普通のPM」にインタビューをして、差別化要因を抽出して、普通のPMにフィードバックをする、という内容です。


今回の記事の趣旨としては、「普通の人は、キレイ事を言ってるけど、具体例が乏しい。それほど執念を持って、やっているわけではないのでは?」というものです。
執念があるかどうかは別として、確かに具体例が乏しいと、説得力がなくなるのは間違いないですね。
以下、具体例を「事例」に置き換えて、議論を進めます。


事例の種類
レベル0: 考え方だけで事例なし
レベル1: 他人の事例
レベル2: 自分の事例


事例の性質
レベル1: 定性的・主観的
レベル2: 定量的・客観的 (定量的=客観的とは必ずしも言えませんが、大枠として。)


納得性という観点で捕らえると、高い順として、以下のようになると思います(種類/性質)。

  1. 2/2
  2. 1/2
  3. 2/1
  4. 1/1
  5. 0/-

したがって、事例を使う目的、その目的が達成された場合に発生する結果の影響範囲が大きければ大きいほど、自分で、客観的な事例を持つ必要があるということです。


しかし、事例を使って大きなこと(例えば、会社の経営方針を変える)を行うときに、「自分の経験として、客観的な事例を持つ」ことができるケースは、それほど多くはないと思います。世の中に事例はたくさんありますが、一人一人に着目すれば、それほど多くの事例が経験として蓄積されるとは思えないからです。


例えば、シックスシグマを会社に導入したい、と考えたとします。
導入したい、と思っているくらいなので、普通に考えればその人の会社では、シックスシグマは導入されていないですし、導入したいと思う人も、自分の経験としてはない可能性が高い。


それでは、どうしたら、より人を説得させられる、高いレベルの事例を持つことができるのか。
考え方を変えてみます。


事例を、作る。


別に、事例をでっち上げろと言っているわけではありません。
日常的に、見て、聞いて、話して、行動していることを、「事例」として、語れるかを意識して行う、ということです。


たとえば、先ほどのシックスシグマの導入のケース。
シックスシグマといえば、GEが有名ですが、ジャックウェルチの「わが経営」を読むときにも、後で思い出せるように、重要な箇所をメモをしたり、事例としてまとめておく。
また、最初の記事のように、自分が意識していることがあるのであれば、それを「事例」のレベルに昇華できるように、意識して行動する。
こういう姿勢が大事なのだと思います。


これを常日頃から行うのは、かなりの労力がいることですが、人を説得することが仕事のコンサルタントや、経営者にとっては、欠かせないものだと思います。


自分のいつものブログ。具体例が十分かどうか、不安です(笑)


それでは、今日はこの辺で。