ルワンダでのOne Laptop Per Childプログラム

http://www.balancingact-africa.com/news/en/issue-no-570/computing/rwanda-progress-repo/en

ルワンダでは、米国のNPOが実施しているOne Laptop Per Childプロジェクト(http://one.laptop.org/)が、始まっています。これは小学校にラップトップを導入するもので、これまでに11万台が導入され、2017年までに50万台の導入が予定され、最終的には100万台の導入を目指しています。
これまでの進捗
・2008年〜2009年:10,000台
・2010年:65,000台
・2011年6月以降これまで:35,000台

ラップトップの導入は、単にパソコンを学校に持っていくだけで済む話ではありません。インタビュー記事によれば、教室に電気を通すところからスタート。ラップトップの電源を確保するとともに、ライトも取り付けます。送電網から離れた学校については、太陽光を利用して電源を確保。(OLPCのプレゼンによれば、電力を備えている学校は全体の4%に過ぎない。)

その次に、導入したパソコンを、無線LAN経由でOLPCプロジェクトのサーバーに接続。サーバーからは、カリキュラム、教科書、その他教材がダウンロード可能。記事の書きぶり*1をみると、サーバーは各学校に設置されているようです。

教師の教育も必要。導入校の教師は、首都のキガリで2日間のラップトップ使用法研修と3日間のコンピュータを利用した教育方法の研修を受講。その後、教師が学校に帰って、他の教師に使い方を教える。またOLPCのプロジェクト担当者も学校を訪問し、フォローアップします。

ラップトップは学校の所有物になりますが、生徒はラップトップを家に持って帰ることが可能。OLPCでは3週間に一度、ラップトップが学校にあるかをチェックし、なければPCをdisableする仕組みを有しています。なおラップトップは無償での寄付ではなく、ルワンダ政府に1台200ドルで販売。お金を払わせるというのは、大事に使ってもらう上で重要なことなんだろうと思います。

ラップトップの導入で、教師は、暗記するコンテンツを提供するというよりも、概念を理解し、発展させてイノベーションやクリエイティビティにより注力することに取り組んでいるといいます。

ルワンダは、アフリカのシンガポールを目指し、ITパークなどの設立などIT産業の活性化にも熱心に取り組んでいます。このようにNPOの力を活用しつつ、幼少期からの教育にもITを導入し長期的な視野での能力育成を図るという政策を立案し実施するというのは、極めてスマートだと感じます。

*1:connecting them to our servers and local area networks, which they can connect to through a wireless local area network