融資契約とITシステムの詳細設計書

水・木・金と、うちの会社とインド企業の間で融資に関する交渉を行いました。

貸し出しに関する利率とか、貸出額なんてのは交渉するまでも無く事前に決まっているので、こまかーいところが争点になります。
何をもって、その企業が債務不履行になったとみなすか、とか、利息の計算期間の仕方とか、関係者間の訴訟に利用する裁判所の場所とか、為替の計算をする基準を何にするか、とか。

当たり前のことながら、いろいろと細かいことまで決めるのですが、そこで感じたのは、「融資契約を詰めるというのと、情報システムの詳細設計を詰めるのは、作業レベルではおなじだ」ということ。

情報システムの設計書も、正常系のロジックを決めるだけならかなりあっさりと決まるし、それほどもめることも無いのだけれど、忘れがちで、かつ、いざ実際にそうなってしまうときに困るのが、異常系の処理。何かしらの原因でインプットデータが決まったフォーマットじゃなかったときの処理とか、データが想定していたよりも大きいとか。そういうときのエラー処理にどこまで細やかに気が配れて、かつ効率的な設計をできるかというのが、ある意味情報システムの設計センスが問われるところだと思っていますが、それと同じようなことが融資契約の設計(?)でもいえるんだなと痛感しました。

したがって、ITでの設計書を詰めるという経験、特にコンフィグレーションマネジメント(バージョン管理)とか、いかにしてTraceability(顧客の要求が設計書に反映されているか)を確保するとか、顧客の要望にどこまで付き合うかとか、そういうところはかなりスキルとして有用できるような気がします。

なので、元SEが金融マンになること、およびその逆というのは、案外なじむキャリアチェンジなのかもしれない。